鋼材の防錆性能を高めるためには
鉄や鋼は私たちの生活を支えるためにはなくてはならないもので、いわば産業界の骨組みの役割を果たしていると言えます。
鉄筋コンクリート造りのビルや橋梁に始まって、飛行機や船舶や自動車なども鋼材抜きでは考えられませんし、身近なところでも家電製品とかIT機器などで鉄を一切利用していないものはおそらく存在しないでしょう。
これは何も近代社会だけの話ではなく、それこそ古代から人間は鉄の有用性を経験的に理解して利用してきたのです。
このように有用な鉄ですが、欠点もあり、それは錆びやすいということです。
錆びると脆く崩れやすくなってしまい、元々の鉄の持つ様々な有用な特性の多くが失われてしまいますから、防錆を考えることは非常に重要になります。
実は混同して書いてしまっていますが、鉄を鋼とすること自体が錆を防ぐ方法の一種になっています。
鋼とは鉄に炭素を加えたもので、これにより強度が上がるとともに錆にも強くなります。
さらにクロムを少量加えたものがステンレスであり、家庭内も含めて様々なところで利用されています。
キッチンのシンクに用いてもほぼ錆びないことから、いかに錆に強いかが理解できるでしょう。
ステンレスという言葉そのものが英語で腐食しないという意味になっています。
この他には、別の金属を混ぜるのではなく表面に被膜を形成させるメッキがありますし、同じく表面に何らかの塗料を塗ってそれにより被膜を形成させて内部を守る方法もあります。